「実家じまい」の体験記:手順と実際やった内容の記録

早期退職奮戦記

この度「実家じまい」をしましたので、その経験を書き残しておきたいと思います。

このブログのメインの主題である「セカンドライフ」とは直接関係ありませんが、恐らくセカンドライフを楽しもうとしている年代の方は、「実家じまい」をする機会も出てくると思います。

そういう方の参考になればと思い、まとめました。よろしくお願い致します。

これから書く内容は、私が個人的に体験した内容になるので、全ての「実家じまい」のケースを網羅していませんが、一部は参考になると思いますので、読んで頂ければ幸いです。

私の場合の「実家じまい」

以下の順番で書いて行きたいと思います。

この後書いて行く内容
  • 私の場合の個別事情
    まず私の場合の家を売る事情を説明します。
    これが違っていると全然参考にならないと思うからです。
  • 私がやった実家じまいの全体の流れ
    実家じまいをする際に実施した全体的な流れを説明します。
  • 各作業にて実際にやった具体的な内容
    2.の各段階で私が実際にやった作業を書いて行きます。
    不動産屋とのやり取りの部分家のしまいの部分です
  • 家を売却する際に知った新知識
    家を売るという事は売却益を得る、という事ですが、その際に税金や保険がどうなるか、全然知らなかったのですが、そこで得た内容を記しておきます。
  • 実家じまいに関係する情報
    実際に私が使った訳ではないのですが、この実家じまいの際に調べて、「これ便利かも?」と思った内容を記載します。

①私の場合の個別事情

以下の個別事情があります。こういう条件下の対応を書いていますので、参考になる方は続けてお読み下さい。

個別事情まとめ
  • 親が健在である状態での実家じまいのケースです。
  • 現住所と売る家との距離が離れている(実家は滋賀県、私の住所は千葉県)
  • 郊外の住宅地にある5LDK二階建ての一軒家、木造築45年(=古い)
  • 母は今回千葉に既に引っ越し済。引っ越し先は18㎡の小さな部屋。
    実家の家財道具はほぼ必要がなく、新居に置く場所もない

実家の家は既に誰も住んでいない状態となり、今後も誰も住む予定が無い為、手放す事が決まりました。

実家から車で30分くらいの所に私の妹が住んでおり、必要があれば実家に行って必要な作業が出来るような環境でした。

➁私がやった実家じまいの全体の流れ

全体の流れ
  1. 実家を売る不動産屋を決める
  2. 不動産屋と家の売り方を決める
  3. 家の中の物品の処理をする

字に書くと簡単すぎますね。でも実際やる事も面倒ですがそんなに難しくありません。

以下、それぞれに対して私たちが実施した具体的な内容を書いて行きます。

③各作業にて実際にやった具体的な内容

③-1 実家を売る不動産屋を決める

とにもかくにも家を売るのにまず不動産屋を通すのが普通だと思います。

宣伝などでよく聞く不動産会社に直接電話などしても良いですが、より広く探す為にもWEBで探すのが良いと思います。

ここでもさらにステップを分けると下記の様になります。

③-1-1 WEBで不動産情報サイト運営会社を探す

私は特に不動産屋の知り合いがいる訳ではないので、Web上で「あなたの家!1分で査定します!!」という様なフレーズが出ている「不動産情報サイト運営会社」のWEBから開始しました。

この「不動産情報サイト運営会社」とは不動産屋ではなくて、売りたい人と不動産屋をつなぐ広告会社です。

この様なイメージです

この会社も複数ありますので、必ず複数登録すると良いと思います。
私の場合は「SUUMO」「すまいステップ」というサイトから見積もり開始しました。

③-1-2 サイトで売りたい家のスペックを入力する

サイトの中で、売りたい家の情報、スペック(住所、立地、敷地面積、建築面積、延べ面積、などなど)を入力します。

かなり細かい内容を書かされるので、ちゃんと見積もりしたい人は購入時の契約書などの正式な書類を手元に置いて実施しましょう。

③-1-3 見積もりを取る不動産会社を指定する

最後にどこの不動産会社に見積もりを依頼するか、を選択します。

ここでも複数の不動産会社を選択できるので、必ず複数選択する様にしましょう。

③-1-4 不動産会社から連絡が来る

恐らくクリックして30秒くらいで、全不動産屋から電話が来くると思います。
私もそのスピードにはびっくりでした。

そして、「実際の家の状態を見ないと見積もりが出せないので、内見をお願いしたい」という事を言われると思います。

個別に内見の予定を組みます

全部の会社と約束する必要は無いと思います。
私は遠方でしたし、内見に立ち会うのに時間的な制限があるので、3社に絞って内見を依頼しました。

③-1-5 不動産会社と個別に内見作業や相談をする

各社約30分程度で内見作業は終わると思います。
内見が終わると、査定額が出てきます。

このまま個別に③-2の「売り方の相談」を全部の不動産会社としても良いと思います。

私の場合、査定額と営業の態度、事前の資料の準備等を見て、どの不動産会社と進めるか、1社に決めてしまってから、次の相談に進みました。
しかし、会社によっては「家の売り方」も違うかもしれないので、以下③-2は全部の不動産会社に聞いてみても良いかもしれません。

③-2 不動産会社と家の売り方を決める

③-2-1 買取か仲介か決める

不動産屋と決める時に家の売り方を確認します。

不動産屋にお願いできる売り方は大きく分けて2つ。「買取」「仲介」です。

  • 買取  不動産会社が直接物件を買収する方法です。
  • 仲介  不動産会社が一般市場で買主を探す方法です。

イメージとメリットデメリットは下記にまとめました。

③-2-2 専任媒介契約か一般媒介契約か決める

不動産業界のシステムは良く知りませんでしたが、仲介で売る場合、この二つの契約の方法のどちらにするのか問われる事になります。

なんだか素人には分かりにくい契約ですが、いろんな不動産屋に情報を広げる事を、自分で個別の不動産会社とやるか、選んだ不動産会社に任せるか、の選択です。

情報を広める代わりに、「必ず私たちを通してやって下さいね」、という契約と理解します。

私たちも1つの会社に決めて、専任媒介契約としました。

③-2-3 建屋をどうやって売るのか決める

我が家は築45年のおんぼろ一戸建ての為、土地には価値がありますが、建屋にほぼ価値がつきませんでした。

近所の家も、新しく住まわれる方は、建屋を全部一旦壊して、今どきの建屋を建てて済まれる方が多かった為、我が家もそうなるのだろうと思っていました。

我が家の場合、リフォームで部分部分を修理していて、程度としては「良い部類」と言ってもらえました。
そして、「家は壊さず、そのまま売って行く」という事になりました。

ここも家によっては違うと思うので、個別に相談が必要な部分と思います。

③-2-4 不動産会社からの朗報を待つ(売れるのを待つ)

「家は壊さず、そのまま売って行く」事になったので、一旦家に放置されている家具などは、そのままの状態で、購買希望者に見てもらい、購入希望者が出て来て、商談がまとまってから、家具などを処理する順番になります。

この間に家にある価値が付くものはどんどん売っていく様にしましょう。

③-3 不動産会社と契約をしていく

売主(私の母)は既に千葉に越してきています。また、滋賀に往復出向くほどの元気もありません。

契約はWEBでも出来る事になったので、私が母の所にモバイルパソコンを持って行って、一緒にWEB会議に出て契約する形をとりました。

コラム
不動産屋選定の時に思った事 2点

初動で不動産会社のフットワークが分かる

不動産会社によって、初動から動きが違います。
ある不動産会社は、見積もりだけではなく、「取引そのものの詳しい資料」を送って来たりします。これは、初めて不動産の取引する私にはすごく安心感を与えてくれました。

また、連絡がたまたま取れない時も、頻度良く取ってくるところと、こちらから連絡しないといけない会社もありました。当然前者の方が好感が持てますし、選定の判断理由になると思います。

大手より地元密着の会社の方が査定額が高く、対応が良い

これはあくまで私の体験による感触ですので、全てのケースに当てはまる訳では無いと思いますので、一つのケースとして御認識下さい。

いろんな不動産会社に見積もりを取りましたが、押しなべて大手の不動産会社の方が査定額が低かったです。
そして、対応も地元密着型の方がより親切で丁寧だったように思います。

③-3 実家の物品の処理

実家にはいろいろな物が多く残っています。それらを処分しないといけないです。

以下に注意しないといけない物を挙げておきます。

仏壇じまい

皆さん家をたたむ時に悩むのが、仏壇の処理だと思います。
こんな事は人生の中で1回、2回あるかどうかですので、やり方とか普通は分からないですよね。

私も同様に悩みましたが、結局お寺に聞くしかないです。

そして、やる事はそんなに難しくないです。

魂抜き

お坊さんに家に来てもらって、先祖や仏様の魂を仏壇から抜く「魂抜き(閉眼供養)」という供養をしてもらいます。

要はお経を読んでもらうだけです。
お坊さんと連絡を取り、日程を決めて実施するだけです。

が、ここで迷うのがお布施の値段です。

1万円~5万円と書いてある資料もありますし、3万円~7万円と書いてあるものもあります。
決まっていないので、自分で決めるしかないです。
私は3万円にしました。プラスお車代として5,000円お渡ししました。

ご本尊、位牌、遺影の処置

ご本尊・位牌・遺影の処置は人や宗派によって違うと思いますので、お寺と良く相談しましょう。

  1. 引越し先にも仏壇を置く場合は、そちらに持っていく
  2. そうでない場合はお寺に処分してもらう

などの選択があります。

今回の私の場合、引っ越し先に仏壇を置くスペースもない為、お寺さんに持って帰って頂き、処理をしてもらう事にしました。これで問題ない様です。

仏壇の処置

「魂抜き(閉眼供養)」をした後の仏壇は一般の家具と同様です。仏壇屋さんに売っても良いし、廃棄しても良いです。

最近は仏壇の需要が減ってきており、私の家の場合は廃棄する事になりました。結構立派な仏壇だったのですが、、、

神棚じまい

神道の方はしっかりやるのでしょうけれど、私の家は仏教です。一応、神棚はありますが、そんなに大きなものでも無いので、自分で実施しました。

神棚にお塩を振って清めて、収めてある「神札(お札)」を元の神社に返納しました。

こちらも仏壇しまいと同様、閉まった後の神棚は廃棄すれば良いです。

残置物の処分

一般的には、引っ越しの際に家に残された家具や電化製品、食器などをまとめて「残置物」というそうです(こんな単語も初めて知りました。)

ここで地理的、時間的に余裕があれるか、無いかで、小金を稼げるかどうかが変わると思います。

ここで言える事

  • 一般のリサイクル業者にまとめて有価かどうかを見積もりを取ってもらうと、ほとんど金にならない
  • それぞれ興味がある団体にこまめに声を掛けた方が良い
  • ただし、結局値段と手間の天秤である
リサイクル業者への引き取り見積もり体験

なんでも間でも引き取りますという業者に見積もりに来てもらいました。

  • 家具も電化製品も基本は5年以内の物しか値段はつかない。
  • 海外で売れそうな家具は無償で引き取ります
  • 芸術品などの価値はほぼ分かっていない

様な気がします。

ほぼすべての残置物に値段が付きませんでした。

それぞれ物品に興味がある人に地道に個別で売るしかない?

例えば、古い楽器なども、リサイクル業者に任すとほぼ値段が付きません。

食器や花瓶などで価値があるはずのものも値段が付きません。
やはり、それが専門の業者や団体に持ち掛けて、価値が分かる人と地道に売って行くしかないです。

マンガ本なんかも、メルカリで興味がある人に売ると、300円、400円の価値が付くのに、Book OFFで売ると5円か0円になってしまいますよね。

結局手間との兼ね合い

特別に高価な物をお持ちの方は一生懸命売りに行けばよいですが、そうでない方は、結局、何千円くらいの価値のものを手間をかけて売る事になります。

数が数ですので、やればやるほどお金は返ってきますが、それよりも他の事に注力した方が良いのかどうかは考えた方が良いですよね。

私の場合は、遠方という事で、距離的な制約や交通費もばかにならないという事で、ほぼ全ての家具や家電を残置物として、一括処理(廃棄)してもらう事にしました。

④家を売却する際に知った新知識

今回家を売った事で私にとっては初めて知る事が何点かありました。
その点を参考として書いておきます。

3,000万円所得控除

先ほど書いた様に、今回は親が亡くなって実家じまいする訳ではありません。
母親健在な状態での実家の売却で、相続ではなく、母に売却による所得が発生します。

母や他の人が売却時の「税金」についてすごく心配していたので、初めて調べました。

「居住用財産の3,000万円控除」というがあります。

自分が住んでいた家や土地を売ったときに、最大3,000万円まで譲渡益を差し引ける特別ルールです。

つまり、売却益が3,000万円以下なら、売り上げ益に税金は掛からないんです。

3,000万円控除を受けられる条件
  • 自分が住んでいた家や敷地であること
  • 売却時点で住んでいなくても、住まなくなってから3年以内
  • 他人に貸していないこと(居住用であること)
  • 同じ年に他の家を売って「3,000万円控除」を使っていないこと

つまり、住んでいない状態で長期に放置すると、自分が住んでいた家とみなされずに、3,000万円の控除が受けられなくなります。

私と似たような境遇の人で、使う予定がない家がある人は、長期に空き家になる前に早めに処理した方が良いでしょう。
どんな価格で売っても3,000万円の控除はありますので。

翌年の保険料の額

所得の税金の他に、翌年の保険料はどうななるのか?所得に応じて変わるけどどうなるのか?

という心配もありましたが、これも調べました。

保険料は前の年の「課税対象の所得」の額に応じて決まる

つまり、上の3,000万円の控除が受けられて、課税されないと決まれば、保険料も影響を受けません。

という事で、大きな家を売って売却益が3,000万円を超える様な人は心配が必要ですが、田舎の築何十年も経つ古い家をしまう時は、普通はそんなに気にしなくても良いです。

⑤実家じまいに関係する情報

以下、今回、実家じまいを進める際に調べた業者です。

どれも私は使いませんでしたが、実家じまいをする方で必要な人も居ると思いますので、参考までにリンクを貼っておきます。

活用いただければ幸いです。

捨てられない物の保管

不要物を処理していっても、どうしても捨てられない物ってありますよね。

でも新しい家には置く場所がない。そういう場合はレンタルスペースを有効活用したいですね。

デジタル資産の処分

私の場合は関係ありませんでしたが、パソコンを主体で使っている方が急に亡くなった時は頼りになるかもしれません。

仏壇の処理

仏壇の処理や売却など、専門家にお願いするのが良いと思います。

以上、簡単な紹介でした。

最後に

以上になります。

簡潔に書こうとしたのですが、長くなりました。
分かりにくいところもあると思いますが、参考になれば幸いです。

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