HSK(中国語水準試験 汉语水平考试):中国での受験と日本での受験の違い

中国語学習

セカンドライフを楽しみたいと思っている中年以上の方に、

「中国語を始めましょう!一緒にがんばりましょう!」
「すごくいい事いっぱいありますよ~!」

という記事を書いているアラ還おやじです。

本日は、
「HSK受験する際、中国で受ける場合と日本で受ける場合に、こんなにも違いがある!!」
という話を書いておこうと思います。

「普通」のHSK受験者には全く必要ない情報ですが、興味本位で見て頂けたらと思います。

最初に少しだけ前置き

現在HSKには合格、不合格という概念はありませんが、6割以上の点数を取れば、それは合格したとい言っても良い、という流れがあります。
なので、以降は6割以上取ったら「合格」という表現をして行きたいと思います。

私は4年9か月中国に派遣になり、その間、中国でHSK4級、5級を受験し、合格しました。
そしてHSK6級も受験しましたが、残念ながら不合格でした。

中国駐在中に6級合格が叶わず、日本に帰国したわけですが、やっぱりせっかく中国語を勉強してきているので、HSK6級に合格したいという思いがあり、日本に帰国してからも勉強を続け、今回初めて日本でHSKの試験を受けに行ったのです。

そして大失敗したんですが、その話はまた別途書くとして、その際に分かったHSK試験の中国での受験と日本での受験の違いが良く分かりましたので、書いておこうと思いました。

これから出てくる細かい部分は、HSK6級以外のものと若干違う場合もありますが、恐らくそんなに違いはないと思います。その点を加味してお読み頂けたらと思います。

設備の違い

まず、教室の設備の違いです。

教室は写真が取れないので、イメージ図でしか書けないのですが、大きく違いがあります。

【日本】

小、中、高校の学校のイメージです。
木の一人机があり、前に教壇があります。

黒板には注意書きなどが貼ってあって、教壇の上に小さなラジカセが置いてあります

このラジカセの音声を使ってヒアリング問題が出題されます。

こんなイメージ

【中国】

一人一人にパソコンとモニター、およびヘッドセットが与えられます

パソコン教室のイメージですが、テスト会場ですので、それぞれの席同士はパーティションで区切られています。

こんな感じだが、一人一人はパーティションで区切られる

出題方式

【日本】

紙での出題です。ヒアリングの選択肢は紙に書いてありますし、リーディングの文章も紙に書いてあります。作文の題材も紙で渡されます。

【中国】

パソコンモニター上での出題です。ヒアリングはその時の選択肢がパソコン上に出されるので、画面上で選択する形です。
リーディングの文章もパソコンのモニター上に表示されます。
作文の題材も同様です。

回答方式

【日本】

マークシート記入用紙に鉛筆またはシャープペンシルでマークしていきます。

イメージです

【中国】

キーボードとマウスで入力していきます。

選択問題はマウスで動かしてクリック!で入力していきます。
記入問題は、キーボードで入力するのですが、「ピンイン」で入力が必要です。

ヒアリング設備

【日本】

教室の前に1台のラジカセががあり、それでCDを再生させます

イメージです

【中国】

各個人にヘッドセットが用意されています。

イメージです

以上の違いによりテストの点数に影響が出そうなところ

以下に書きますが、ヒアリング、リーディング、作文の全部の点数に影響が出ると思います。

問題内容が一緒でも、点数が全然違ってくるような気がします。

①ヒアリングの点数

断然、中国受験の方が、音がクリアに聞こえて有利と思います。

日本受験の場合は、もともと音がこもっているし、ラジカセから距離が遠いとそれだけで音声のクリアさは低くなります

さらに教室内で空調の音などがあれば、なおさらです

➁ライティングの点数

これは若干日本方式の方が有利かと思います。

日本受験は紙に文章が書いてありますので、重要な語句や、登場人物の名前に〇を付けたり、注意する所に印がつけられます。

中国受験ではそれが出来ないので、画面上で読んで覚えておく必要があります

あまり大きな差は出ないと思いますが、日本式の方が若干有利な気がします。

③作文の点数

これは日本式と中国式のどちらが有利かは人に寄ると思いますが、点数に差は必ず出てくる部分だと思います。

ここはさらに2つに分けて説明します。

③ー1手書きとピンイン入力

【日本】

紙に書くので、「その単語の発音が分からなくても書けます」特に登場人物や固有名詞など、中国語でなんと読むのか分からなくても字を覚えておけば解答用紙に書く事ができます

【中国】

すべて「ピンインで入力が必要なので、発音がわからない単語は入力ができません」

③ー2紙記入とパソコン記入

【日本】

紙は書いてしまうと、修正がしにくいです。HSK6級の場合、400字程度の作文を書かないといけないので、書き進めて行って、字が足りないなぁと思って途中部分で付け足しをしたくても、全部消しゴムで消して書き直しになるので、それができません。

【中国】

中国式のパソコン入力の場合は、途中に好きな語句を後から挿入できるし、場合によっては段落ごとコピーアンドペーストで入れ替える事もできます

全体のパランスを考えながら実施したい時は、中国式が良くなります。

参考(私の場合)

私の場合、日本式のヒアリングは全然ダメでした。私はヒアリング問題の音がこもると、何を言っているか、聞き取れなくなってしまうので、本当にちんぷんかんぷんでした。

リーディングは日本式の方が目印を付けられる分、良かったと思います。

ライティングは断然日本式です。
中国式は簡単な単語でもきちんとピンインを覚えていないと全然書けません
「sh」なのか「x」なのか、「ch」か「zh」は「j」は「q」か、はっきりきっちり覚えていないと字が書けないので、中国式では全然作文が進みませんでした。

セキュリティ(カンニング防止)

テストとは直接関係無いのですが、ここも違いが大きく違ってびっくりしました

【日本】

私物(主には個人のカバン)は教室内に持ち込めます。机のわきに置いておいて、必要な物を机の上に出した後、他の物はカバンにしまいます。

【中国】

基本的に必要ない物は、教室内に持ち込み禁止です。

教室の外に無料で借りれるロッカーがあり、そこに持ち物を預けます

持ち込んで良い物は

  • 受験票
  • パスポート(身分証明書)
  • 眼鏡(人によっては)

だけです。携帯はもちろん当たり前ですが、
筆記用具も一切持ち込み禁止!
腕時計も持ち込み禁止です。

そして極めつけは、金属探知機での検査を実施して入出可能になります。

お国柄を感じます。不正をやりたい外人は、日本は不正しやすいので、わざわざ日本に受験に来るとも聞きます。

費用

費用は2025年8月現在の費用で比較です。

【中国】

中国ではHSKを受けると同時にHSKKという口語のテストも受ける必要があります。
セットでないと申し込みができません。

セット価格しかわかりませんが、
HSK6級+HSKK高級 の場合、 1,119元(約22,500円)でした。

【日本】

日本ではHSKだけでもHSKKだけでも、両方とも受ける事ができます。

HSK6級 11,550円、HSKK高級 8,250円、   合計 19,800円
少し日本の方が安いですね。

受験層

【中国】

中国でHSKを受けに来る人はほぼ留学生です。なので、95%以上は20代の若い人でした。

人種は本当にさまざまでした。東洋人の方が少ないくらい。インド系?ヒスパニック系?白人、東南アジア系、アフリカ系の人も居たと思います。

【日本】

かなり幅広く、小学校?というくらいの人から、50代以上と思われる方まで幅広く受験されていました。それもまんべんなくと言う感じで、50代以上の方も3割くらい居た感じです
私と同じようにチャレンジされている方がいて、嬉しかったです。

まとめ

という事で、HSKの試験を受けるに際しての日本と中国の違いを書きました。

今回の情報が有用である人はすっごく稀だと思います。

なので、大部分の人には、「ふ~ん、そなんだ」と思っていただければ嬉しいです。

もし、万が一、この情報が有用な方が居れば、試験の対策方法を若干見直して試験に臨んで頂ければ、と思いますので、ご活用下さい。

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